換気に関する勘違いを、シエナが一刀両断します!
新しい生活様式の普及もあって、テレビやニュースでは換気の必要性が良く取り上げられています。だからなのか、周りの人と換気に関する話をすることも増えました。
そんな中で、「換気について勘違いしている人が多いんだな」と思ったことがあります。そこで今回は、換気に関する基礎知識をお伝えします。
換気をしないと、室内の酸素がどんどん減っていく
「換気をする」ということは、家の中の空気を捨てて大気を取り入れるということです。ここには「大気は室内の空気より綺麗である」という大前提があります。
では、外の空気が室内の空気より汚れている場合は、換気をしない方がいいのでしょうか。
答えはNoです。たとえ外の空気が汚れていても、換気をやめてはいけません。
なぜなら、人間や動物は空気中の酸素を吸って、二酸化炭素を吐いているからです。部屋を閉めきった状態が長く続くと、室内の酸素は減り、二酸化炭素だらけになってしまいます。
室内の二酸化炭素濃度が高くなると、私たちの頭の働きは悪くなってしまいます。20~40代を対象にした実験では、換気量によって、私たちの能力は約10%も変わることがわかりました(参考:笹井恵里子『室温を2度上げると健康寿命は4歳のびる』光文社、2020年、158ページ)。
換気のされてない家は、酸素が少なく、二酸化炭素の多い家です。そのような家では勉強にも仕事にも集中しにくく、お子さんの頭脳の発達も妨げられてしまうでしょう。
ご存知でしたか?換気でカビは防げません
「カビを防ぐためにも、こまめに換気しなきゃ」と思う人は多いかもしれません。しかし、換気でカビを防げるかというと、ちょっと違います。
物理的な水分量で確認してみましょう。物理的なんていうも難しそうに思いますが、とても簡単ですから安心してください。
例えば雨が降っているとき、外の空気が気温25℃・湿度90%だとしましょう。この場合、空気1Kgの中には、約18gの水分が含まれています。
一方、家の中はエアコンで除湿していて、気温25℃で湿度50%だとしましょう。この場合、室内の空気1Kgの中には約10gの水分があります。
この条件下で換気をすることは、水分10gの空気を捨てて、水分18gの空気を取り入れるということです。つまり、換気することで差し引き8gの水分が室内に入ってくることになります。
ちなみに、建築基準法では2時間に1回、室内の空気がすべて換気されるようにと定められています。室内の空気量が400㎏だとすると、1時間あたりの換気量は約200Kgです。
この条件で換気をした場合、室内にどのくらいの水分が入ってくるのか計算したのが、下記の式です。
8g(空気1Kgあたりの水分増加量) × 200Kg/h(1時間あたりの換気量) = 1600g/h
なんと、1時間に一升瓶1本分の水を家の中に撒いている計算です。
雨降りのときは換気をした方が、家の中は湿気ていくということになります(空気の乾燥した真冬は別です)。
それでも換気は必要なんです。絶対に。
除湿をするならエアコン一択
換気をしないと室内の酸素が減ってしまう。しかし、雨の日に換気をしたら、室内の湿度は上がりカビの原因となってしまう。
雨や曇りの多い新潟において、この悩みは深刻です。換気をしながらカビ対策をするには、どうしたらいいのでしょうか。
まず、湿度を下げるためにはエアコンの除湿機能を使うのがおすすめです。一升瓶1本分の水分量をどうにかするには、除湿機では間に合いません。
エアコンの除湿能力は、一般的な除湿器の6倍以上の能力があるからです。除湿するならエアコン以外の選択肢は無し。と、シエナホームデザインでは考えています。
しかし雨の日は、エアコンで除湿をしていても、室内の湿度は上がり気味になります。どうすればカビが生えるのを防げるのでしょうか。
その答えは、エアコンや電気のなかった時代にあります。
【結論】掃除が1番大切です
エアコンも電気もなかった昔は、除湿なんてできません。昔は畳にカビが生えるなんて当たり前のことでした。
だから、昔は家族全員で朝の掃除をして、カビが生えるのを防いでいました。
子どもだった私のモーニングルーティンは雑巾がけです。家族みんなで掃除をしてから、朝ごはんを食べて、職場や学校に行っていました。
カビの胞子や、カビが成長するための栄養分を毎日拭き取っているのですから、カビなんて取るに足らないものでした。
しかし、現代人の僕らは雑巾がけなんてしません。だからカビが大問題になっているのです。
「カビが生えるのが嫌なら雑巾がけをしましょう」
これが結論です。
とはいえ、昔の人よりも時間に追われている現代人が、毎朝雑巾がけをするのは難しいでしょう。
時間を確保できないなら(少々お金はかかりますが)、雑巾がけのできるお掃除ロボットを使ってもいいかもしれません。これから家を建てる人なら、お家そのものに湿度やカビへの対策を施すのもいいでしょう。
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