【教えて!シエナの家づくり】その63.手刻みvsプレカット、どっちの木材がおすすめなの?
家づくりは多くの人にとって、人生最大の買い物です。わからないことも多い中で、納得できる家づくりをするにはどうすればいいのか。どのハウスメーカー・工務店を信じればいいのかわからないという人がほとんどでしょう。そんな悩みを解決するために、シエナホームデザインの家づくりに関する「100の質問」に答えていきます。第63回の質問は「手刻みとプレカット、どっちの木材がおすすめなの?」です。
木材には「手刻み」と「プレカット」がある
家づくりに使う木材には「手刻み」と「プレカット」の2種類があります。
手刻みとは大工さんが木の個性や状態を見て、それに合わせて1本1本刻んで木材にしていく伝統工法です。昔の木造住宅はすべて手刻みの木材で作られていました。
プレカットとは機械で木材を加工することです。コンピュータに木材のサイズや個数、どのように加工するのかといったデータを入力し、工場の機械で木材を作っていきます。今では8割ほどの木造住宅が、プレカットの木材で建てられているといわれています。
手刻みでは1本1本の木の個性を活かした家づくりが、プレカットでは工期とコストを抑えた家づくりができるでしょう。
それぞれの工法について、もう少し詳しく見てみましょう。
【手刻み】木の特性を見極め、長く安心して使える木材を作る
1本1本の木を大工さんの手で切り、加工していく手刻みでは、「木の個性」を活かした家づくりができます。
私たち人間と同じように、木にも1本1本個性があります。この個性を見極め、それを活かすように加工していくことで、「長く安心して暮らせる家づくり」「木の息づかいが感じられるあたたかな家づくり」ができるでしょう。
木材は年月が経つにつれ、形や大きさを少しずつ変化させていきます。木材の中には水分が含まれており、これが少しずつ抜けていくからです。水分が抜けることで木材の体積は少しずつ減り、木材同士のつなぎ目にスキマができたり、木が反ったりします。
これがよく言われる、木材の「狂い」「暴れ」です。
手刻みでは大工さんが1本1本の木の状態を見て、その木が将来どのように変わっていくのかを見極めます。木材の個性と現場の状況を見て、一つひとつの木材に調整を施していくことで、狂いのない家づくりができるのです。
こうして建てられた家は金物なしでも堅牢で、手刻みでないとできない伝統工法もたくさんあります。たとえば神社やお寺などがこのような工法で造られています。
手刻みの木材で、伝統工法で建てられた木造建築がどれほど丈夫なのかは、ご近所の神社やお寺を見てみればわかるでしょう。
【プレカット】構造解析により安全性を確保する
手刻みの木材を使った家はとても堅牢で、長く安心して暮らせます。しかし、プレカットの家は強度が低いということではありません。
プレカットではどんな家を建てるのか構造を解析して、安全なように部材や金物を選定します。機械による加工には「正確さ」「スピード」などの強みもあります。
プレカットではデータを活用してどんな木材が必要なのかを見極め、機械を使って一つひとつの木材を正確に仕上げていくのです。
テクノロジーを活かして合理化された木材加工がプレカットであり、これは非常に効率的です。プレカットではより短い時間で、よりたくさんの木材を作れるため、工期もコストも削減できます。
もちろん、機械にはデータの解析はできても、1本1本の木の個性を見極めることはできません。画像認識などの技術により、遠い未来にはできるようになるのかもしれませんが、それはだいぶ先の話でしょう。大工さんの手刻みのように、木材が将来どう変わっていくのかを見越した家づくりはできないのです。
ただ、プレカットだからといって強度が低いわけでも、十数年・数十年で不具合が出るわけでもありません。
プレカットでは木材がどのように変化してもいいように、少し大きめの材料を使ったり、金物で木材同士をつないだりして安全性を確保しています。
手刻みならではの味わいか、コスパの高いプレカットか?家づくりのベストな方法は家族ごとに異なる
手刻みにもプレカットにも、それぞれいいところがあります。
手刻みには木の個性を活かした家づくり、将来の木材の変化を見越した丈夫な家づくりができます。ただ、手刻みは大工さんが手間暇かけて木材を調節していくので、プレカットのような効率はありません。プレカットに比べると工期は長めになり、コストも膨らむでしょう。
手刻みでないとできない伝統工法はたくさんありますが、安全性で見ればプレカットでも十分です。工期とコストを抑えて家づくりができるので、基本的にはプレカットがおすすめです。
伝統工法を使い、木の個性を活かした味のある家づくりがしたい方には手刻みが、コスパを重視する方にはプレカットが、それぞれ適しているでしょう。
それぞれの家づくりについてもっと詳しく知りたい方は、下記リンクからお気軽にお問い合わせください。自分たち家族にとって満足度の高い家づくりはどちらなのか、一緒に考えてみましょう。
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