最古の制振装置
富山県に合掌造りの家屋が建ち並ぶ集落があります。
相倉(あいのくら)合掌集造り集落といって、世界遺産にも登録されています。
ここに最古の制振装置??が存在するということで、勉強ついでに宿泊してきました。
今年は例年と比べると雪が少なく、気温も高め、とは言え夜は氷点下になります。
世界遺産なので建物は昔のままです、泊まるといってもどうなることやら?
一応防寒対策を完ぺきにした装備で赴きました。
民泊とでもいうのでしょうか、お年寄りのご夫婦で営んでおられる一軒に伺います。
中へ入ると部屋の真ん中に囲炉裏があります。
ちょろちょろと薪が燃え、その上にあるやかんから湯気が立ちあがっています。
聞くところによると囲炉裏の火をいじれるのはここの主人しか許されていないので、お客さんは見ているだけ。
しかし、なんという風情でしょう。
自然の炎というのは癒されますね。
さて、合掌造りということで、建物の半分は屋根になっています。
茅葺屋根の中は大きな空間ができるので、そこで養蚕が行われていました。
今回の目的はその屋根構造を見にきたわけですが、その一部に制振装置ともいえるハネガイをみてみたかったのです。
通常地震などの力に対抗するため耐力壁を設けますが、家の大半が屋根というこの建物が何百年も壊れないで残っている理由は、屋根の構造に工夫があるわけです。
斜めに掛かっている材がそれです。
どうしてこれが制振装置なのかというと、材の根本ががっちり固定されていて上の方は縄で縛っているだけなので、大きな力がかかった時微妙に力が逃げるというものになっているのです。
おそらくなん百年も昔から、作っては壊されの繰り返しの経験から考えられたものでしょう。
先人の知恵の深さがひしひしと伝わってきました。
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